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Being ALIVE Japanでは、年3回学校の委託事業として特別支援学校で病弱の中高生向けにスポーツプログラムを定期的に行っています。2月14日(金)、今年度3回目となるスポーツプログラムを開催しました。今回は一般社団法人スマイルコンパス様の協力で、元女子レスリング48キロ級日本代表で、2016年リオデジャネイロオリンピック金メダリストである登坂絵莉さんと、元女子サッカー日本代表で、2011年にワールドカップ優勝や2012年ロンドンオリンピック準優勝などを果たした岩渕真奈さんが参加してくださり、レスリングやサッカーを一緒に経験することができました。
最初は登坂さんのリードで軽いウオーミングアップです。マットから手を使わずに走り出したり、動物にふんして短い距離を進んだり、列になってボール渡しを先生も含め参加者全員で協力して行ったりと、楽しくウオーミングアップ。
その後、登坂さんから「ピックレスリング」を教えていただき挑戦しました。
ピックレスリングとは、洗濯ばさみにリボンをつけたものを膝のあたりにつけ、そのリボンを決められ時間内に取り合う、というゲームです。低姿勢で相手の膝あたりを目指す感じはまさにレスリングの基本スタイルそのもの。今回は30秒間、1対1で行うというルールに決めて行いました。まず最初に登坂さんと岩渕さんが見本をみせてくれたのですが、岩渕さんが登坂さんのリボンを早速とり、悔しがっている登坂さんが印象的でした。その後、生徒たちも生徒同士や先生と、または岩渕さん、登坂さんを相手に挑戦しました。思ったより30秒が長く感じられ、取れそうで取れないリボンと格闘しましたが、一気にその場が熱く盛り上がりました。
休憩を挟んで、次はサッカーに挑戦です。岩渕さんの声かけで、ゆっくりとドリブルで進む中、岩渕さんが「膝!」と身体の部位の声かけがあると、「膝」でドリブル中のボールを止めるという練習をしました。「頭!」「背中!」と声をかけられ、丸いサッカーボールを必死にとめようとする参加者たち。それぞれの姿がユニークであちらこちらで笑いが起きていました。
登坂さん、岩渕さんが常に生徒たちの雰囲気をみて声をかけてくださったり、意見を聞いてゲームのルールなどを決めてくださるので、生徒たちも自ら考えて意見を言ったり、積極的に提案したり、またお互いにアドバイスしあったりと、とてもいい雰囲気ですすんでいきました。
そして、最後に、枠内にモルックを立てて、そこにむけてシュートをし、モルックを何本倒せるか、というゲームに挑戦しました。生徒チームと先生チームの2チームに分かれることや、モルックをどうたてるか、どう点数をつけるかなども、みなで和気あいあいと話し合い、白熱したゲームを行って最後は生徒チームが僅差で優勝!みんなで飛び上がって喜びました。
あっという間の2時間がたち、最後に車座になってまとめの時間を持ちました。生徒たちから感想や二人への質問が次々にでました。
・サッカーやレスリングを始めたきっかけはなんですか?
・サッカーやレスリング以外に熱中したことはありましたか?
・モチベーションを保って頑張れた理由はなんですか? などなど。
登坂さん、岩渕さんは真摯に一つ一つに質問に答えてくれました。例えば、怪我で試合に参加できなかったり、周りに自分より上手な選手がいて落ち込んだりと、いろいろな壁があったけれど、まずは自分ができる小さなステップや目標に目を向けて頑張ってみること。そして、たとえそれが小さいことでも、出来たことを喜んでいくことが大事だということを話してくれました。またお二人とも、サッカーやレスリング以外でここまで熱中できることはなかったけれど、それ以外のコミュニティや友人を持つことも大切で、常に応援してくれている人や周りに仲間がいることに感謝しているとのことでした。
生徒たちはじっとお二人の言葉に聞き入り、「自分もできることを頑張りたい」や、「応援を受けて活躍している選手に近くで会うことができ嬉しく、とても励まされた」という積極的な感想をもらうことができました。
そして、最後にお二人がいままで獲得してきたメダルの数々を披露してくださり、「触ってもいいし、首にかけてみて!」と言われて一同は大感激。一人ひとりメダルをかけたり、写真を撮って活動が終了となりました。
終始全体に気配りをし、楽しいスポーツ体験をご提供いただき、そして「今日は参加できてとても楽しかった!!」と言ってくださった登坂さん、岩渕さんに改めて感謝です。
Being ALIVE Japanでは引き続きスポーツを通じて、長期療養を必要とするこどもの自立支援を目的としたチーム体験を企画し、提供していきたいと考えています。