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2024年10月12日〜13日に兵庫県神戸市「しあわせの村」で、病気で長期療養中のこどもと家族(6家族)のスポーツキャンプを開催しました。2023年度から小野薬品工業株式会社様に関西でのスポーツキャンプをご協賛いただいており、今年は2回目の開催となります。
開会式では、小野薬品工業株式会社 代表取締役副社長の辻中聡浩 (つじなか としひろ)様のご挨拶、参画アスリートの自己紹介、そして代表の北野華子から参加するこどもたちにキャンプの目標「一人でも多くの友達と仲良くなって一緒にチャレンジすること」「自分ができることやいいところを見つけること」を共有して、活動が始まりました。
最初の活動はフロアカーリング!フロアカーリングは、こどもたちが座って参加できたり、またストーンを投げたり等の簡単な動作で参加できる活動であり、初めて運動等の活動を行うこどもたちにとっても参加しやすいアクティビティです。カーリングのゲームでは、チームで順番を決めたり、作戦を立てたりとコミュニケーションも多くとることから、参加したこどもたち、保護者、ボランティアスタッフの緊張がほぐれ、距離が一気に縮まりました。
カーリング後は、最初のスポーツプログラム「空手」を実施。空手は団体でも初めて取り入れたスポーツです!元空手日本代表の多田野彩香さんにご協力いただき、病気のあるこどもでも取り組める空手プログラムを企画・実施しました。一番はじめは、彩香さんにキレのある、かっこいい手技を見せていただきました。彩香さんの手技にこどもたちもご家族も釘付けで、こどもたちは練習するのが待ち遠しい様子で見ていました。
活動中、彩香さんはこどもたちに「叩く、蹴るは家族やお友達にはしない」と話してくれました。参加した家族から「イライラすると手が出てしまう息子ですが、あやかさんはそれして良いって言っていた?という一言で手を引っ込むようになりました」とキャンプ後のお子さんの様子を共有してくださりました。
2つ目のスポーツプログラムは「野球」。元プロ野球選手の生山裕人さん(千葉ロッテマリーンズ)、小原駿太 さん(群馬ダイヤモンドペガサス)にご協力いただき、大きな芝生広場でのバッティング体験やストラックアウトゲームを実施しました。野球が好きなお子さんが多く、活動では自主的また積極的に行動するこどもたちが多く見られました。その中でそれまで活動になかなか参加できずにいたお子さんに、こどもたちから声かけする様子があったことも印象的でした。
「薬のことを知れてよかった」というコメントが多くありました。またご家族にアンケートで「ワークショップを通じて薬への抵抗感が少なくなるか」という質問を行い、参加したご家族全員が「そう思う」と回答しました。保護者にとっても関心の高い活動であり、親子で薬のことを学び、話ができるきっかけになるワークショップでした。
ワークショップの後は、ボランティアやアスリートと一緒に夕食を楽しみました。一日たくさん身体を動かしたため、こどもたちは夢中になって食べていました。また食事を通じて、一緒に活動したアスリートやボランティアとさらに交流が深まる機会となりました。
1日目の最後の活動として、こどもたちのみで行う「自分図鑑」を作成するワークショップを実施。自分の病気について、また今頑張っていること、自分の励みとなるものや人のことを共有する活動です。最初は「やりたくない」と言っていたこどもたちも、キャンプ前に準備してきたインスタントカメラで撮影した写真をみて、写真を選んだり、ボランティアさんに写真を共有したりすることで、各々のペースで取り組んでいました。発表時は恥ずかしさもありましたが、一人ひとりがみんなの前で話し、同じように病気で療養しているこどもたち同士、共通点を見つけたり、また共感できる機会にもなりました。
そして最後のスポーツプログラムはジャパン リーグワンに所属する「レッドハリケーンズ大阪」の選手によるラグビー体験。色々なパスの練習を行ったり、ラグビーボールを使ってボーリングを行ったりして、ボール遊びを楽しんでいました。最初は「ラグビー、大丈夫かな?」と心配するご家族もいましたが、どの活動も制限の有無に関係なく、ラグビーに親しみをもてる活動であったため、ご家族も心配な眼差しではなく、お子さんの嬉しそうな姿を目を離さずみていました。
また最後のラインアウト体験は緊張しながらも、チャレンジしてみたい!と自ら手を挙げていたこどもたち。選手に持ち上げてもらい、ボールを受け取った瞬間の笑顔は最高の笑顔でした。また体制が崩れたこどももしっかり選手が受け止めてくれたこともあり、どのお子さんも終始笑顔で達成感を感じてくれた活動でした。選手の方々はお子さんの疲労なども配慮し、こまめな休憩とゆっくりプログラムを実施していただいたことで、こどもたち全員が最後まで活動に参加することができました。
スポーツ活動後は、施設に戻り、朝のおやつで果物を堪能!最後は、活動の振り返りで自分図鑑を完成させる活動を行いました。前日よりも積極的に図鑑作成に取り組む様子のお子さんが多く、こどもたち自ら、アスリートやボランティアの方に共有したり、手伝ってほしいことを伝えたり、自らのコミュニケーションが増えたことを感じる瞬間でした。また発表することは、こどもたちにとってチャレンジではありましたが、自分の思いや考えを共有することで大きな自信や病気と前向きにいきていく力に繋がったと感じる発表内容でした。
参加したご家族より、スポーツキャンプの意義について下記のようにコメントをいただきました。
運動に制限はないですが、見守りが必要なことが多く、中学校で部活も入れないので、病気をもつこどもたちと思いっきり体を動かすことができて、スポーツで協力することが普段体験できづらい中、みんなで協力しながら進めていけたので、こどもにとって必要な機会だったと思います。
とても、楽しかったようです! こんなにも病気と戦ってるお友達がいる事が分かり自分だけじゃないと思えた、と言っていました。
さまざまな楽しさを味わうことのできるスポーツキャンプの必要性は高いと感じました。こどもが習いごとでスポーツを始めるのは難しいと思っています。今回のスポーツキャンプのように病気についての理解があったり、今できることに挑戦できるといった環境が、安心して参加してみようという気持ちになりました。
改めて関西でのスポーツキャンプの開催にご協賛を賜り、病気のあるこどもたちとご家族の横の繋がりをご支援いただいた小野薬品工業株式会社様に御礼を申し上げます。